食料廃棄問題をテクノロジーで解決するベンチャーImperfect Foods
2021年1月末に食料品配送サービスベンチャー、Imperfect Foodsが95百万ドルの調達(Series D)しました。
Imperfect Foodsは、アメリカの食品ロス(食べられるのに廃棄されてしまう)の40%を削減する目的で2015年に設立されたサンフランシスコに拠点をおくベンチャーです。サブスクリプションモデルで規格外の野菜を顧客に直送しています。
ニュースリリースの概要は以下の通りです。
Imperfect Foods Secures $95MM Series D Investment Commitment
1/21/2021
===ニュースリリース概要===
Insight Partners, Norwest Venture Partnersがリード投資家。
同社は2020年前年比で3桁の成長を遂げ、売上は500百万ドル超。
2020年には地域の農産物に特化した宅配サービスから全米規模の食料品店への移行を完了し、カタログに数百点の商品を追加
今回の資金調達により、オペレーションを強化するとともに品揃えを倍増させ、プライベートラベルのプログラムを加速化させる予定。
顧客は35万人を越えている。
Insight Partnersによれば、"Imperfect Foods のサプライチェーンは他に類を見ないもので、生産者から消費者への新鮮な食料品を、仲介者と廃棄物を最小限に抑えて迅速に届け、最後の1マイルを自分たちで届けている。”
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インパクトの観点で彼らの取り組みを見てみました。
ミッション
はっきりと「食品ロスを削減してみんなにとってより良い食料システムを構築すること」と書かれており、社会課題の解決を掲げていることが伺えます。
サステナブルな取組内容
調達:購入している生産物の約半分(毎月何百万ポンドにものぼる)は、Imperfect Foodsが購入していなければ、畑に置き去りにされたり、加工食品として安価で売られたり、堆肥にされたりするもの。廃棄してしまうと、地域社会に食料を供給する機会を失うだけでなく、それを栽培し、輸送するために使われたすべての資源(水、エネルギー、時間、労働力)を無駄にしてしまうとの問題意識。
廃棄物の削減:プラスチックや包装材の廃棄物は世界的な課題であり、食料品業界が十分に真剣に取り組めていない。Imperfect Foodsは2020年に初の再利用可能な食料品ボックスを試験的に導入。可能な限り食料品や配送用梱包材に再利用可能なものにする予定。賞味期限が近く、次の販売まで持たない青果物や食料品は地域社会に寄付しており、すでに賞味期限が切れている食品は、動物保護活動を行っているパートナー等に提供している。
エネルギーの使用:カーボン効率の高い食料品配達モデル、配達を近隣別にグループ化し、オンデマンド配達ではなく配達窓を顧客に提供している。最大の倉庫施設(ロサンゼルス)で太陽光発電所をし、必要なエネルギーを賄っている。今後5年間で、同社の冷蔵倉庫全体で再生可能エネルギーを調達できるようになる予定。
取組結果
上記の取り組みがどの程度結果があったのか、定量的な情報発信も行っています。
サービス
ウェブサイトで郵便番号を入力し、その後いくつかの質問(何人家族ですか?どのような食事の好みがあるますか?オーガニック野菜が好みですか?など)を答えると、このような形で料金プランが提示されます。
食料ロスに取り組むNPO、ReFEDによれば、食品ロスに取り組むソリューションが40あり、700社・団体が取り組んでいるとのことで、14Bドルの投資で73Bドルのリターンを創出するとのことです。今後この分野の更なる拡大が期待されています。