株主提案を受ける、サステナビリティ経営のリーダー、Danone
Danoneは、サステナビリティ経営を重視するグローバルリーダーです。Danoneに対して、あるヘッジファンドが他のサステナビリティを重視するNestleやUnileverに比べると経済的リターンがよくないとして代表者の交代を求める株主提案を出しました。
Activist fund Bluebell Capital takes aim at Danone (Financial Times, 1/19/2020)によると、概要は以下の通りです。
======(以下、概要)=====
・アクティビストファンドBluebell Capital(ロンドン)がヨーグルトメーカーDanoneに対して株主提案をした。その内容は、株価が低迷しているとして、CEO Emmanuel Faber氏の交代だ。
・Bluebell Capitalは、昨年11月にDanone取締役会に新しい最高経営責任者探しを開始するよう呼びかけ、会長とCEOの役割を分割することを推奨する書面を送付。2014年10月以降、Faber氏がCEOに就任して以来、同じサステナビリティを重視しているネスレやユニリーバと比較すると、利益の成長が遅れている点を指摘。Danoneはそれに対し、1株利益の50%成長している点を主張。
・Bluebellはサステナビリティと利益双方を追求することには異論がないとのことであるが、「ファーバー氏のリーダーシップの下で、ダノンは株主価値の創造と持続可能性の間で適切なバランスをとることができていない」と説明。
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Danoneは、昨年の6月、食を通じた健康を掲げる、”enterprise à mission”という法人に株主からの賛同を得て変更しました。2019年にフランスでできたこの制度を上場企業で活用する事例は初めてでした。”enterprise à mission”になると、株主のための利益を生み出すことだけでなく、顧客の健康と地球に利益をもたらすことを重視することを良しとするものです。Danoneは、”enterprise à mission”になったことによって、社会や環境に関する目標を掲げ、その目標に対する進捗状況を10名で構成される外部委員会に確認をしてもらい、その内容を株主総会で発表します。
今までは、地球や社会に良いことをする(社会的リターン)か、利益を追求する(経済的リターン)かの二つの選択肢で語られることが多かったですが、このニュースを見て、双方のバランスをどう考えていくか、実現させていくのかを考える時代に入ったように思います。